こうなったのは誰のせい?
人はそれぞれ性格が異なり、どんな性格にも一長一短があってどの性格が良くてどの性格が悪いということはありません。しかし、他人との関係で極端な態度をとり続けると不適応を起こしやすいことは確かです。
例えば、何か失敗したときの責任をどう受け止めるか、ということで2つのパターンを見てみましょう。
●Aさんの場合…
「あっ」夕食の支度をしていた妻の横で、コップを落として割ってしまったAさんは言いました。
「ごめん。君が忙しいときに僕が後ろから来たからぶつかったんだよな。ケガなかった?大丈夫かい…」
「いいえ、あなたこそ大丈夫?」
●Bさんの場合…
「あっ」夕食の支度をしていた妻の横で、コップを落として割ってしまったBさんは言いました。
「まったく…!君が後ろに気をつけないからぶつかったじゃないか。気をつけろよ!」
「あっ、ごめんなさい…。」
いかがですか?同じ状況でも、コミュニケーションがちょっと違いますね。
ストーリーの違いは、「原因」をどう見るかの違いです。Aさんは「自分に責任がある」と感じています。それとは対照的にBさんは「相手に責任がある」と感じています。
心理学ではたくさんの性格分類がありますが、その1つとして、つぎのような性格のタイプ分けがあります。
・失敗したときに自分のせいにしがちな人=内罰タイプ
・失敗したときに他人のせいにしがちな人=外罰タイプ
「内罰(ないばつ)タイプ」の人は、謙虚だとか責任感が強いとほめられるけれども、実はストレスを一人でかかえてダウンしやすく、場合によってはうつ病や神経症になりやすい人です。反対に「外罰(がいばつ)タイプ」の人は、神経症になりにくいけれども、まわりの人から自分勝手だとかずるいと思われがちです。
実際には、多くのトラブルは100%誰かの責任ということは少なく、多かれ少なかれ両者に責任の一端があります。 人間関係を大切にそして精神的にストレスを背負いすぎないコツは、バランスをとること。極端に責任を他人のせいにしないことと同時に、引き受けすぎないことです。
ご自分のことを振り返ってみましょう。明日のあなたのために…