ドミノ倒しに学ぶ
ドミノ倒しの楽しみは、長時間かけて並べたドミノを自分で倒し、それがきれいに倒れていくさまを見る快感です。一瞬の快感のために大変な労力をそそぐ・・・。
人間は一方では、なるべく楽をしようとするのに、一方では、大変な時間とエネルギーを注ぎ込むところに快感を得る動物です。全く不思議です。
パタパタと流れるように倒れていくドミノが途中で止まることもなく、最後まで倒れたとき、並べた人は手をたたいて大喜び!見ていてもどきどきしながら手に汗握る瞬間ですね。
ところが、もともと倒すために並べていても人が倒したのでは頭に来ます。
「台無しにされた!」という感じです。同じ倒すのでも、自分でやったのと、人にやられたのでは心にとっては全く違う体験。その一瞬のために呼吸も止めて、そっと、そっと、ドミノを並べてきたのですから。
人間は主体的に一生懸命かかわったことが成果として感じられたときに、生きていると実感することができます。自分で考え、自分で行動し、そして自分でその成果を感じ取る・・・。自分で種をまき、自分で刈り取ってこそ満足感があるのです。
半年かけて大事に栽培したプチトマトの一粒を口にほおばるときの満足感は、スーパーで買ったパックの中の一粒とは全然違いますね。
あなたは自分なりに大事にしている時間がありますか?
集めたコレクションを毎日眺める、ペットと遊ぶ・・・。それぞれが刈り取りです。苦労して自分で集めたコレクションだからこそ、毎日世話をしたり、病院に必死で連れて行ったりしたペットだからこそ愛おしいのです。自分で主体的に関わり、苦労と時間が自分の主体的なものであるからこそ、愛おしい。そんな時間を大切にしたいですね。