パーソナルスペースを感じよう

人間は人と人の距離を心理的に感じて、一番心地よい距離を持っています。それを心理学では「パーソナルスペース」といいます。パーソナルスペースに他人が進入してくると違和感を感じます。

異性と並んで話していて、偶然肩が触れ合ったとき、「ごめんなさい…。」とすっと相手が肩を引いたとします。するとあなたは「友達なんだな」と感じますが、そのまま肩が触れたまま話し続けたとき、「あれ…友達以上の気持ちを持ってくれているのかな?」と思いますよね。それは、相手のパーソナルスペースに入れてもらった(=心のバリアを解放された)と感じ取っているためです。

満員電車の中や混み合っているエレベーターの中で、知らない人とぴったりくっついているという状態は、心にとっては本来不自然な距離です。そんなときに、人の心は自動的に「パーソナルスペース」を放棄しています。でも、エレベーターの中の人が少なくなってくると、自然に相手との距離をとるようになりますよね。

空間に余裕が出てくると感性のスイッチが復活するからです。

自分が親しみを持っている人や空間ではパーソナルスペースは狭くなります。つまり、接近したくなっています。反対に嫌いな人や空間ではパーソナルスペースは広くなります。ですから、自分と相手の「関係性」がここから理解もできます。

同じ程度に好意を感じているときには問題ないのですが、「相手が好意を持っているけれども、自分は苦手・・・。」という場合には、そのパーソナルスペースにずれが生じて、なんとなく雰囲気に違和感を感じることになります。

人と良い関係を作っていく上では、相手のパーソナルスペースを尊重すること、そして自分のパーソナルスペースを自覚し、そこでの雰囲気から心の距離を感じ取る感性を育てることがとても役立ちます。


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